機械取扱い注意事項
労働安全規則第666条関連
当該機械の特性
- クローラキャリアは、機械の前後方向よりも左右方向に転倒しやすくなっています。
- 傾斜地では走行路の状況(障害物の有無、凹凸、湿地など)および、走行速度、積載状態により安定性が大きく変わります。
- ボディ旋回時は、機械が履帯幅よりはみ出します。
機械運転の資格
最大積載量が1トン以上の不整地運搬車を運転する場合には、「不整地運搬車運転技能講習」の終了証が必要です。
運転に関する注意
-
エンジン始動時の注意
- 1)
- エンジン始動前には周囲に注意し、警告のためホーンを鳴らしてください。
- 2)
- 始動は、必ず運転席に座って行ってください。
- 3)
- 運転者以外、人を乗せないでください。
-
前後進時の注意
- 1)
- シートベルトの用意があるときは、確実に着用してください。
- 2)
- 走行レバーを操作する前にスプロケットの位置を確認してください。スプロケットが機体後方にあるときは、逆走行表示灯が点灯し、走行レバーの前後進および操向が逆になります。
- 3)
- 発進する前に周囲に人がいないか、障害物がないか確認してください。
- 4)
- 動き始める前にホーンを鳴らして周りの人に警告してください。
- 5)
- バックアラーム(後方警告ブザー)などが、正常に作動することを確認してください。
-
運転中の注意
- 1)
- 容量積載荷重以上の荷を積まないでください。ブレーキの利きが悪くなります。
- 2)
- 不正地を走行する時は、転倒しないよう低速走行し急激な操向操作はしないでください。
- 3)
- 前後左右に大きく傾く障害物の乗り越えはしないでください。
-
傾斜地での走行・作業時の注意
- 1)
- 傾斜地走行は、作業機を地面から20~30㎝に保持し、緊急の場合に作業機を直ちに地面に下ろし機械を停止できる状態で走行してください。
- 2)
- ボディに人を乗せての運転は非常に危険です。絶対にしないでください。
- 3)
- ボディを上げたままで走行しないでください。
- 4)
- 不整地を走行するときは、転倒しないよう低速で走行し急激な操向操作はしないでください。
- 5)
- 前後左右に大きく傾く障害物の乗り越えはしないでください。
- 6)
- 急発進・急停止・急旋回は転倒の恐れがありますので行なわないでください。
-
ダンプ操作時の注意
- 1)
- ダンプ操作をする前に、後方に人がいないこと物がないことを確認してください。
- 2)
- ダンプ操作は、ホーンを鳴らすなど周囲の人に合図をしてから操作してください。
- 3)
- ダンプ作業は、不整地や傾斜地では行わないでください。ダンプ時重心が移動して転倒する危険があります。
-
傾斜地走行時の注意
- 1)
- ボディを下げてください。
- 2)
- 登り坂を走行するときは運転席を山側に向け、下り坂のときは運転席を谷側に向け、足場を確認しながら走行してください。
- 3)
- 斜面に沿ってまっすぐ走行してください。傾斜地を斜めに横切ったり、水平方向に走行すると非常に危険です。
- 4)
-
走路の状態により安定性は大きく変わることがあります。
運転席に傾斜角度計がある場合は、機体の傾斜を知ることができます。この角度計は機体の前後方向にのみ作動し、前傾・後傾の角度を表示します。
①赤色レンジ(A):15度以上の傾斜地では使用しないでください。
②黄色レンジ(B):10~15度の傾斜地では、速度切替スイッチを「LOW」の位置にして
かつ、ハーフスロットル以下のエンジン回転で真っ直ぐに走行してください。
③緑色レンジ(C):10度以内を示します。 - 5)
- 登り坂中にエンジンが停止したときは、走行レバーを中立位置にし、機械を停止させてからエンジンを再始動してください。
-
傾斜地での作業時の注意
- 1)
- 傾斜地での作業は、旋回およびボディダンプ時に機体のバランスを失って転倒する恐れがあります。傾斜地での旋回やダンプ作業は行わないでください。
- 2)
- 最大積載表示量以上の荷を積まないでください。
- 3)
-
積み下るとき、急坂路になればなるほどエンジン回転を下げ、ゆっくり走行してください。
早すぎると機械が止まらない恐れがあります。 - 4)
-
傾斜地でエンジンが停止した状態で旋回操作レバーを絶対に操作しないでください。
自重により旋回することがあります。
-
駐車時の注意
- 1)
- 水平で地盤の固い場所を選んで、作業機を地面に接地させてください。
- 2)
- やむを得ず傾斜地に駐車するときは、機械が動かないように履帯への歯止めをしてください。
機械輸送時の注意
-
機械の輸送
装着されている作業機によって、質量・輸送高さ・機械全長が異なるため良く確認してください。
-
積み込み・積み下ろし時の注意
機械の積み込み・積み下ろしは、取扱いを誤ると転倒・転落の危険を伴うため特に注意が必要です。
- 1)
- 水平で地盤の固い場所を選び、路肩やがけに近い場所は避けてください。
- 2)
- エンジン回転を低速にし、車速は「低速」を選び走行レバーはゆっくり操作してください。
- 3)
- 道板上では進路の修正を絶対にしないでください。